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2008年07月28日

「だらり」と口ずさむ

「だらり」は国語学的には副詞と名詞がある、ようだ。
副詞は、何かが「力なく垂れ下がる様子を表す語」、「しまりなく垂れ下がる様子を表す語」、
あるいは、「勢いがなくしまりがないさまを示す語」である。
「脱力系」を「だらり系」といわないけど、使えそう。

名詞は、「だらり結び」の略。つまり帯の結び方の形式。
「双方へだらりと垂れるように結ぶ帯の結び方。」「だらりの帯」ともいうらしい。

虚子は、これをあまり見たことがなかったのだろう。
「風流懺法」の「一力」のシーンでは、主人公が、次々に来る舞妓に同じ質問をする。


「「其帯は妙な結びやうね。」

「何といふの其名は」
「だらり」
「髷の名は」
「京風」
…」

舞妓は皆「だらり」と答える。
このリズムと反復がいい。

この「風流懺法」は、関連する他の2編といっしょになり、
1921年(大正10年)に『風流懺法』として出版される。

当時、三高生だった梶井基次郎がこれを手に入れたようだ。
「何といふの其名は」
「だらり」
と、梶井が口ずさんだ(?)、らしい。


タグ :高浜虚子

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Posted by 愚華 at 11:19│Comments(0)温故
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