2012年05月19日
『新編 燈火頬杖』読了
『新編 燈火頬杖』とは、藤田三男が新たに編んだ、浅見淵のエッセイ・評論集。
「ウェッジ文庫」として出版されている。
特に興味深かったのは、「「細雪」の世界」(1949)である。
谷崎ものでは、いつも参照する『谷崎潤一郎必携』(千葉俊二編)では、
参考文献にあがっていない。どうしてなのか不明。
『必携』に載っている千葉による「評価」でも引用されていない。
『新編 燈火頬杖』の解説を書いている藤田は「「細雪」の世界」の要点を
自分の経験を引きつつ、簡潔にまとめておりなかなか。
評伝であるので関係ないのかもしれないが、『谷崎潤一郎伝』でも引用はない模様だ。
藤原学の論文「「昔の東京」という京都イメージ」(2008)でも引用はないっぽい。
藤原の場合、論文の核のアイディアが、浅見と相同または相似に感じるけど。
浅見による「細雪」の評価は短くまとめるとこうなろうか。
「細雪」は谷崎の心境小説であり、大阪のそれ自体の市民生活をリアルに描いたものではない。
むしろ、徹頭徹尾洗練された東京的趣味と感性を、大阪の風俗を借りて再現したものである。
「ウェッジ文庫」として出版されている。
特に興味深かったのは、「「細雪」の世界」(1949)である。
谷崎ものでは、いつも参照する『谷崎潤一郎必携』(千葉俊二編)では、
参考文献にあがっていない。どうしてなのか不明。
『必携』に載っている千葉による「評価」でも引用されていない。
『新編 燈火頬杖』の解説を書いている藤田は「「細雪」の世界」の要点を
自分の経験を引きつつ、簡潔にまとめておりなかなか。
評伝であるので関係ないのかもしれないが、『谷崎潤一郎伝』でも引用はない模様だ。
藤原学の論文「「昔の東京」という京都イメージ」(2008)でも引用はないっぽい。
藤原の場合、論文の核のアイディアが、浅見と相同または相似に感じるけど。
浅見による「細雪」の評価は短くまとめるとこうなろうか。
「細雪」は谷崎の心境小説であり、大阪のそれ自体の市民生活をリアルに描いたものではない。
むしろ、徹頭徹尾洗練された東京的趣味と感性を、大阪の風俗を借りて再現したものである。
Posted by 愚華 at 18:04│Comments(0)
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