さてと、
『「プガジャ」の時代』である。
某日某月読了。
かなり大部の本だが、面白いし勉強になった。
最後の編集長、小堀純の苦悩と苦闘は、特に印象深い。
私はその頃関西から遠く離れて暮らし、関西へはほとんどくる機会がなかったので、
『プレイガイドジャーナル』がつぶれた、というのは、衝撃だったが、
バブルの東京マネーにやられたのだろうと思っていた。
基本的には自壊だったみたいで、こちらの認識の方が衝撃力は強い。
ああ、そうだったのか…。
(ただ、全体的に見るとバブルにやられたのだろう。)
400頁を越える本で、5章構成、註も充実、資料編も優れている、から、
何回も覚書を書くことになるかもしれない。しつこい性格が災いする。
さてさて、この本は、2007年度、大阪府の文化情報センターが企画した、
「新なにわ塾講座」での5回にわたる公開講座が基となって作られている。
で、疑問。
第3回講座分がない。
本のほうの企画構成は春岡勇二。
彼はプガジャの編集をおこない担当は映画で最後2年間副編集長だったという。
春岡による「はじめに」では、こうなっている。
「…また、本をまとめるにあたり、事情から割愛しましたが、
講演してくださったAさん、ほんとうにありがとうございました。…」
「新なにわ塾講座」報道発表資料(2007年7月13日リリース)によれば、
第3回公演は、公演予定日が9月6日、演題は、
「外から見ていた「プガジャ」、「プガジャ」の雑誌づくりに憧れて」
講演者が安藤善隆で、聞き手は、春岡勇二、である。
広報用チラシによると「安藤善隆」とは、
「1965年大阪府出身。90年ぴあ株式会社入社。…02年よりぴあ関西版編集長。
…07年後より東京本社メディアコンテンツ出版事業部書籍編集部編集長。」
だそうだ。
この「安藤善隆」が、「講演してくださったAさん」だろうね。
で、「事情」って何なのか?
よくわからんが、変だよな。
20年後の
「新なにわ塾講座「プガジャの時代」の時代」という講演でもないと
わからないってことでしょうね。
こうして、「Aさん」たぶん「安藤善隆」は消えてしまった。
話の内容、興味あるのに、残念だ。
「Aさん」の「講演」の代わりに入ったのが、
先ごろ亡くなった山口由美子へのインタビューという構造なのか?