「海獣の子供」はとても面白い

愚華

2010年02月05日 16:05

「海獣の子供」はかなり、いや、とてつもなく面白い。
ひさびさに、わくわくするマンガである。
作者は、五十嵐大介。(1969‐)

今出川烏丸の角に「TSUTAYA」がある。かつてここには別の本屋があった記憶があるが定かではない。
いまは、モスバーガーも一緒。2階はCD、DVDのレンタルらしいが入ったことはない。
考えて見るとモスも昔は今出川烏丸西入ル南にあった。こうした店の移動や栄枯盛衰は都市を考えるとき重要。
(これもMYテーマか。)

それはそれとして、この「TSUTAYA」のマンガの揃え方はなかなか、と思っている。
この前、たまたま入ったら、「海獣の子供」が推薦されていた。
4巻まででているけどまずは第1巻を購入。

これがとてつもなく面白かった。

ヨットに乗るおばあちゃんと子供がまず出てくる。
いまだこれが誰か分らない。
この出だし、何となくだが遠藤浩輝の「EDEN」を思い起こさせた。
どうしてかは不明。

次は、フィリピンの話。元水中カメラマンが、さんご礁の産卵を写す目的でダイブする。
そこで、二人の子供が水中にいるのを見る。
そういう話。

そして本題へ。

あとで分かるが、関東の田舎町。
中学生の少女。
他者と打ち解けることができないスポーツ少女、琉花。
部活でトラブルを起こし休まされる。
海を見たくて東京へ行く。
そこで「海」という少年と出会う。
水族館の「幽霊」(光るもの、そして、魚を消滅させるもの)という伏線も張られているが。

これで第一話。

なかなか引き込まれる。


絵は、背景がかなり書き込まれている。
線はすべて、定規などを使わず描いている。
スクリーントーンを使わないのかな、と思ったらそうでもなかった。


第3巻まで読んだが、まだ、どう展開するのか分らない。
どうも、海棲人のような特殊な人間がいる、ということになるのでは。
その海棲人は、鯨たちと関係し、、鯨は地球や海と、そして天と交感している。
その交感に、生命の秘密や、進化の秘密、そして、人類誕生の秘密が関係している。
こういうことだろうか。

必読マンガとして残るであろう。


以下余談。

全体として安部公房の「第四間氷期」を思い出させるが、
「第四間氷期」の内容を忘れているので、ほんとうに関連があるのかどうかは不明。

諸星大二郎ともつながる感じがする。絵柄かなあ。

レイ・ブラッドベリの「刺青の男」も思い出したのは、内容の相似性ではなく、
「怪獣の子供」に出てくるジムが、全身に、自分が滞在したいろいろな土地の伝統的タトゥーをしているから。

「組織」が暗躍しているようで、その点ではエヴァ的でもある。
2010年2月11日
ふと思ったが、「真言」的か。
空海かも知れず…。

関連記事