新しいこととしての『昭和文学盛衰史 上』

愚華

2011年01月02日 10:32

突然だが「昭和文学」への関心が降ってきた。
昨年末に古本屋で、高見順の『昭和文学盛衰史 上』を見つけ読んだからである。
(福武書店版、1983)

なんと多くの表現者が、表現をなしたにもかかわらず、現在の集合的記憶から、消え去ったのか。
そしてその背後に、表現もできなかったが、表現したかったものたちが、また、
その表現を読みなぞったものたちが、いたのか。そして、もはや誰の記憶にも残っていないのか。
慄然となる。

高見順も、いまや、読まれない人、集合的記憶から消えつつある人だ。
いや、もう消えてしまった人かもしれない。

ただ、幸いなことに「百年文庫」に少なくとも一編は収録されたようだ。

それにしても「昭和文学」は、古典にもならない運命なのか。

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