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2012年12月24日

しる屋

大久保恒次のエッセイ集をチラ読みしている。

「みそしる」という文があり、その出だしが面白い。

「しる屋というものが存在していたのである。白味噌汁で、タネは客に好みまかして、
季節の魚が書きならべてあり、ごぼうの笹がきが必ず入っていて、『雑煮』とて、
餅をタネにしたのが年中あった。そのしる屋で有名なのは大阪心斎橋うなぎ谷にあった
『しる市』この店は今はないが、『しる』と大書した提灯や看板はときどき場末で見かける。
要するに汁だけ売る店で、他地方にはない珍しいものといえよう。」

「しる屋」という形態がまずすごい。
この文章で初めて知った。
まだあるかもしれないが、これが書かれたのは、1956年頃、それ以前だから、
おそらく今は、「しる屋というものが存在していたのである」という表現となろう。
1956年頃には、「『しる』と大書した提灯や看板」が「ときどき場末で見かけ」られていたが、
絶滅したのではあるまいか。

ネットで少しチャックしても、屋号として「シルヤ」と発音するものはあるようだが、
一つの外食形式としては存在していない模様。

勉強しない人間に便利なウィキにもない。


なんか面白い。
そこで食べた人を探したい。

もしかすると新しい外食形式として再興可能かもしれない。
洋風なら「スープ屋」、和風なら「しる屋」。
「スープ屋」はありそうなので、ここは和風で攻める手はある。


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Posted by 愚華 at 14:37│Comments(0)探消
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