2008年06月08日
鰻、すし、そば…
谷崎潤一郎の「朱雀日記」を再読している。
かなり面白い。
千葉俊二編『別冊國文学・NO.54 谷崎潤一郎必携』(2001)にはこの作品の評価が。
評者の前田久徳によると、
「…作者は遊ぶことに忙しかったためか、凡庸な切り口の叙述に終わっている。あえて言えば、現地に立った作者の想像力の働かせ方に後年の古典趣味へ通じる一面が指摘できる。」
だそうだ。
凡庸な批評。想像力の働かせ方が鈍いと指摘できる。
といっても、本人(=前田)は理解できないだろうなあ。
しかし、
それはどうでもいいことだ。所詮業界問題に過ぎない。
それにしても「朱雀日記」で言及されている「カツフエ・パウリスタの支店」はどこにあったのかなあ。
いまは京都にはないと思うんだけど…。
京都の洋食レストランとして語られる「萬養軒」は長く続き、今もあるけどなあ…。
「朱雀日記」で谷崎が京都一流としてあげている料理店は二軒。
「瓢亭」と「中村屋」だ。「中村屋」は「中村楼」のことかもしれない。
「絹漉豆腐をお客の前で切つて見せるのが、此家の名物」とある。
谷崎の「瓢亭」評価は高く、「中村屋」評価は低い。
この日記では「花見小路の菊水と云ふ」「鳥屋」がかなり詳しく取り上げられている。
が、今のどこかまだ分らない。記述からすると花見小路を下がっていくように思われるけど。
連載の最後で、そろそろ神経衰弱がきつくなりつつあったと思われるが、
「鰻、すし、そば、などは遙に東京より劣つて居る」としている。
「淡白で水ツぽく」、「醤油の味」がいけなく、海産魚は種類が少なく品質も悪い、
とまとめられた。
この時に較べると、後年は、京都や関西の料理も向上したに違いないし、
谷崎の味の感性も変容していたのだろう。
どっちがどうなのか、大いに好奇心が動く。
かなり面白い。
千葉俊二編『別冊國文学・NO.54 谷崎潤一郎必携』(2001)にはこの作品の評価が。
評者の前田久徳によると、
「…作者は遊ぶことに忙しかったためか、凡庸な切り口の叙述に終わっている。あえて言えば、現地に立った作者の想像力の働かせ方に後年の古典趣味へ通じる一面が指摘できる。」
だそうだ。
凡庸な批評。想像力の働かせ方が鈍いと指摘できる。
といっても、本人(=前田)は理解できないだろうなあ。
しかし、
それはどうでもいいことだ。所詮業界問題に過ぎない。
それにしても「朱雀日記」で言及されている「カツフエ・パウリスタの支店」はどこにあったのかなあ。
いまは京都にはないと思うんだけど…。
京都の洋食レストランとして語られる「萬養軒」は長く続き、今もあるけどなあ…。
「朱雀日記」で谷崎が京都一流としてあげている料理店は二軒。
「瓢亭」と「中村屋」だ。「中村屋」は「中村楼」のことかもしれない。
「絹漉豆腐をお客の前で切つて見せるのが、此家の名物」とある。
谷崎の「瓢亭」評価は高く、「中村屋」評価は低い。
この日記では「花見小路の菊水と云ふ」「鳥屋」がかなり詳しく取り上げられている。
が、今のどこかまだ分らない。記述からすると花見小路を下がっていくように思われるけど。
連載の最後で、そろそろ神経衰弱がきつくなりつつあったと思われるが、
「鰻、すし、そば、などは遙に東京より劣つて居る」としている。
「淡白で水ツぽく」、「醤油の味」がいけなく、海産魚は種類が少なく品質も悪い、
とまとめられた。
この時に較べると、後年は、京都や関西の料理も向上したに違いないし、
谷崎の味の感性も変容していたのだろう。
どっちがどうなのか、大いに好奇心が動く。
Posted by 愚華 at 17:55│Comments(0)
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