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2012年01月30日

『狩人は都を駆ける』を読んだ

『狩人は都を駆ける』(我孫子武丸)あるいはその地理学
という感じで…

京都ミステリーにこうしたものがあったというのがまず面白かった。
内容もなかなかのものだ。読み物としておすすめできる。

主人公は探偵。あまり仕事はないらしい。
探偵事務所が入っているビルの向かいの部屋が獣医医院。
その院長で獣医の沢田は、なかなか腕もよく、しかも、赤ひげ系、つまり、人情派。
沢田を通しての、動物=ケモノ=犬猫=ペット関連の依頼が、
この貧しい探偵事務所の経済を支えているようだ。
この本は、ケモノ関連の依頼を、探偵が解決(?)する(時にできない)5つの物語からなる。
やや変革のハードボイルド。

『狩人は都を駆ける』を読んだ

(我孫子武丸『狩人は都を駆ける』文春文庫、2010)
(↓↓ 内容の記載あり ↓↓)

小説内時間は、はっきりしないが、1990年代半ばであろうか。
とすれば、世間ではオウム真理教事件があったわけで、
京都でも、京都大学の学生でオウム信者がそれなりにいた。
そのあたりは、記述には無い。


探偵事務所は、京都の中心部にありそうだが、特定していない。
ビルの地下には、バーではなくスナック「ノワール」がある。
街中、か、京都駅近く、かな。
(第四作「失踪」を読むと烏丸通に近いどこかで、京都駅付近というよりは三条から五条の間っぽい)

第一作では、依頼人が下鴨在で、事件も下鴨神社で展開。近くの小学校も重要な舞台だ。
第二作は、依頼人は、先斗町のクラブに勤め、彼女の自宅は左京区のマンション。
依頼人=ネコ惨殺犯+αをストーキングし強姦した男のマンションは北区だった。
第三作の依頼人は、岩倉在住。犬を実相院とかに散歩させてほしかった。
第四作で、ネコさらいの都市伝説が広がるのは、嵐山近く。もう一人のネコ探偵の拠点は、京都駅の南。
第五作は、いまいち不明。重要な現場が「シャルマン高辻」なので、高辻通の付近か?


京都ミステリーであるが、古都的しつらえはない。
あえていうと下鴨神社くらいだろう。
さりげなく森嘉の豆腐が登場するのも気が効いている。


タグ :ミステリー

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Posted by 愚華 at 13:15│Comments(0)読む
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