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2011年11月26日

京都で殺人を楽しむ

京都を舞台にしたミステリイは、京都での殺人を楽しむ、なかなかハンディなアイテムである。

やはり山村美紗が有名であるが、2008年からは、柏木圭一郎によるシリーズが立ちあがった。最近までこのシリーズに気づいてもいなかったが、ちょっと手を出して見たところ、それなりにいける。


注意!! ↓―真犯人の記載あり―↓)

京都で殺人を楽しむ

注意!! ↓―真犯人の記載あり―↓)

第一作は、小学館文庫に入っている『京都 大文字送り火 恩讐の殺意』だ。
葵祭りも終わったあとの京都が舞台。
小説内時間は、2008年6月はじめ(芒種あたりとなっている)ころから、
7月のはじめあたりまで。
(どうも6月4日から6月5日にかけて殺人がなされている)

殺されるのは、南禅寺近くのトレンド和食『料亭みなみ川』の主人南川和雄。
(殺人現場は、如意ヶ岳=大文字山。大の字あたりに緑のシートをかぶせた死体が…)

さらに、南川と京都の和食界で、方向の違いも含めて対立していた『菜心しまだ』の主人
嶋田優が、自分こそ南川を殺した犯人であると書き残して自死する。

これで事件は解決かと思いきや、実は、殺人の日、東京のホテルにおり
アリバイも成立したはずの『南川東京』の店長、南川雄一が実行者だった。
つまり、「父親殺し」である。

このミステリイのミステリイ的魅力はアリバイ崩し。
ここは、なかなか面白い。

ただ、ミステリイ的に言うと味音痴のたかり料理評論家山岡京三を
もっと引っ張ってほしかった。
あともう少し怪しい人物が欲しいところ。



極・特殊な注釈↓
『菜心しまだ』=「いま、京都で最も人気のある料理店…京野菜を主役に据え、客の目の前の竈で炊いたご飯を供する…」
『柳苑』(111頁~115頁)=カレーラーメンが…旨い=『柳園』

解説は…ですな。
いただけません。


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Posted by 愚華 at 14:57│Comments(0)読む
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