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2011年01月12日

信長の油滴天目茶碗

「フェイク 京都美術事件絵巻」を今回も見た。(2011年1月11日放送、NHKドラマ)
第1回はあまりにお粗末な流れであったのだが、今回はそれなりに。

大きな問題点が一つ。
不動産会社社長を殺した犯人の動機。

お寺の跡取り息子が犯人だが、
どうして殺すまでに至るのか、その動機が分からない。
再開発から寺を守るため?葛藤の描写とか告白とかは欲しいよね。
京都だったら寺院が団結すれば、不動産会社なんてイチコロという感じだけどね。
(そういえば「古都税」)

被害者の茶の師匠・宮部小百合の方の殺意の方がずっと理解しやすい。
宮部(宮部みゆきからの引用か)も殺そうとしているし、
自覚的には自分が犯人と思っているようだが、
「良い人」なので、シナリオ上犯人とできなかったのだろう。
あるいは「意外な犯人」という設定のためか。

あと、かなりの知識も経験もあるはずの宮部が、
「油滴天目茶碗」などを近代のものと見抜けないのもなぜ、というように思う。

いろいろあるが、問題の根本原因は、時間の制約。
短すぎるからだろう。
2回連続ものにしてどうなのか、「つづく」として。


ではあるが、
淡路恵子は好演だった。すごくいい。所作といい、話しぶりといい、着物といい。
観るだけの価値がある。

物語に京都空襲を入れたのはなかなかのアイディアであった。
まさかあれもフィクションと思う視聴者はいないだろう。
学徒出陣的ものと、「油滴天目茶碗」由来の謎かけは、戦時であればあり得そうだ。


今回は贋作は「北斎の肉筆」。
ドラマの中心的存在ではない。
殺された被害者の所有美術品のなかの一つだった。
そのあたりの配置は興味深い。
ドラマの最後でこの贋作は「浦沢骨董店」が引き取ったようだ。
今後「K」との対決でこれが何かキーになるのかもしれない。
また、関連で、浦沢右がフランスでなぜ地位を失ったかも語られ
おもしろかった。


今後どういう贋作が登場するのか。
伊藤若冲、
葛飾北斎、
と来たから、
俵谷宗達、
尾形光琳、
酒井抱一、
円山応挙、
あたりか。

近代日本画が出て来ると嬉しいがどうだろう。

このシリーズは、2月9日に終了。最後は「歌麿」だった。

最終回に関しては↓
http://oroka.kyo2.jp/e279595.html

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Posted by 愚華 at 14:18│Comments(2)観る
この記事へのコメント
淡路恵子さんは雰囲気が素敵ですね^^
Posted by ヒッキー at 2011年01月12日 23:14
コメントありがとうございます。

淡路さんですが、こういっては失礼かもしれないけど、
「しわ」の様子まで良い感じでした。
Posted by 愚華愚華 at 2011年01月23日 14:54
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